GPSでの浮気調査、法律的にできることとできないこと

浮気調査・証拠

「今どこにいるか分かれば」という気持ち

行き先をなかなか教えてくれない、帰宅時間がまったく読めない。

そんな時、「せめて今どこにいるか分かれば安心できるのに」と、GPSでの追跡を考える人は少なくありません。

ですが、GPSを使った浮気調査には、知らないうちに手を出すと法律に触れてしまう落とし穴があります。

この記事では、GPSを使った調査で、できることとできないことを詳しく整理します。

配偶者の車に無断でGPSを取り付けると

配偶者名義・共有名義を問わず、車に無断でGPS発信機を取り付ける行為には注意が必要です。

  • 都道府県ごとに定められた「迷惑防止条例」の対象になる可能性がある
  • ストーカー規制法とは異なり、恋愛感情の有無を問わず処罰され得る
  • 罰則は自治体によって異なるが、懲役刑や罰金刑が定められている

たとえば、東京都や埼玉県では「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」、神奈川県では「6月以下の懲役または50万円以下の罰金」が定められているとされています。

「同居している夫婦の車だから問題ない」というわけでは決してないという点に注意が必要です。

車の座席に置かれたスマートフォンと鍵

スマホにGPSアプリを入れると

相手のスマホに、無断で位置情報共有アプリをインストールする行為は、さらに重い扱いを受ける可能性があります。

  • 「不正指令電磁的記録供用罪」(刑法168条の2)に該当する可能性がある
  • 罰則は「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」とされている
  • 相手の同意なくインストールした時点で、成立し得る行為とされる

車へのGPS取り付けよりも、スマホへのアプリ導入の方が重い罪に問われる可能性があるという点は、意外と知られていません。

「バレなければ大丈夫」という考えは、リスクの大きさを見誤っている可能性があります。

同意があれば合法になるケース

一方で、相手の同意を得たうえでGPSを使う場合は、法律上の問題にはなりません。

  • 家族の安全確認を目的に、位置情報共有アプリを一緒に導入する
  • お互いに承諾したうえで、居場所を確認できる設定にする
  • 子どもの見守りアプリのように、目的を明確にして同意を得る

「無断か、同意のうえか」が、合法と違法を分ける大きな境目になります。

最初から隠さず、家族の安全のためとして提案してみるのも一つの方法です。

もっとも、浮気を疑っている状況で、正直に「位置情報を共有したい」と切り出すのは簡単ではありません。

提案の仕方によっては、かえって相手を警戒させてしまうこともあるため、伝え方には工夫が必要です。

違法な調査は慰謝料請求にも悪影響

GPSを違法に使って集めた証拠は、証拠としての価値を下げてしまうこともあります。

  • 違法に集めた証拠は、慰謝料請求で使えない、または評価が下がることがある
  • 逆に、違法な調査を理由に、相手からプライバシー侵害を主張されることがある
  • 本来もらえるはずだった慰謝料が、減額される可能性もある

「相手の不貞を証明したいのに、自分の行為が原因で不利になる」という本末転倒な事態も起こり得ます。

証拠集めの手段そのものが、あとになって自分を苦しめることのないよう注意しておきましょう。

合法にできる代替手段

GPSに頼らなくても、合法的にできる範囲での確認方法はあります。

  • 日々の行動パターンや帰宅時間を記録する
  • 家計を共有している場合、クレジットカードの明細を確認する
  • 車を共有している場合、正当にアクセスできる範囲でカーナビの履歴を見る
  • 探偵事務所に相談し、法律の範囲内で調査してもらう

自分で無理に踏み込むより、専門家に相談したほうが、結果的に確実で安全なケースも多いとされています。

特に、証拠として法的に使えるかどうかを重視する場合は、プロの手を借りることを検討してみましょう。

探偵事務所は、法律の範囲内で調査を行うためのノウハウを持っています。

自分では判断がつきにくいグレーゾーンの行為についても、事前に相談することで、リスクを避けながら証拠を集める方法を提案してもらえることがあるでしょう。

GPS発信機とアプリ、リスクの違い

一口に「GPSでの追跡」といっても、車に付ける発信機と、スマホに入れるアプリでは、法律上の扱いが異なります。

方法 主に問われる可能性がある法律 罰則の目安
車への無断GPS発信機の取り付け 迷惑防止条例 懲役6か月〜1年以下/罰金50万〜100万円以下(自治体により異なる)
スマホへの無断GPSアプリ導入 不正指令電磁的記録供用罪(刑法168条の2) 懲役3年以下/罰金50万円以下

表からも分かるとおり、スマホへのアプリ導入の方が、法定刑の上限が重く設定されています。

「車に取り付けるだけなら軽い話」と考えるのも危険ですが、スマホへのアプリ導入は、それ以上に重大な行為として扱われる可能性がある点を覚えておきましょう。

なぜ無断のGPS利用が問題視されるのか

そもそも、なぜ無断でのGPS利用がここまで問題視されるのでしょうか。

  • 本人の知らないところで、行動が逐一把握されてしまう
  • プライバシーの侵害の度合いが大きいと判断されやすい
  • 悪用されれば、ストーカー行為などの犯罪にもつながりかねない

浮気調査という目的があっても、手段そのものが持つ危険性は何も変わりません。

法律は、目的の正当性だけでなく、手段そのものの妥当性も含めて判断するという前提を理解しておく必要があります。

実際にどこまでなら許容されるのか

法律の線引きは、状況によって細かく変わるため、一律に「ここまでは大丈夫」とは言い切れません。

  • 完全に無断で、隠れて設置・導入する行為は、リスクが高い
  • 一定の説明をしたうえでの利用は、状況によって扱いが変わることがある
  • 明確な同意があれば、そもそも問題にならない

「どこまでなら許容されるか」を自己判断で決めるのは危険です。

不安がある場合は、行動に移す前に、弁護士に個別の状況を相談することをおすすめします。

自己流の解釈で進めてしまうと、あとになって取り返しがつかなくなることもあります。

まとめ:焦って違法行為に手を出さない

GPSでの浮気調査には、知らずに踏み込んでしまうと法律に触れる可能性があるという落とし穴があります。

  • 車への無断のGPS取り付けは、迷惑防止条例違反になり得る
  • スマホへの無断アプリ導入は、より重い罪に問われる可能性がある
  • 同意を得たうえでの利用であれば、法律上の問題にはならない
  • 違法に集めた証拠は、慰謝料請求にも悪影響を及ぼしかねない

「早く事実を知りたい」という焦りは自然な感情ですが、手段を誤ると、自分の立場を悪くしてしまうこともあります。

迷った時は、行動に移す前に、一度弁護士や探偵事務所に相談してみることをおすすめします。

証拠を集めることは、あくまで目的を達成するための手段のひとつです。

その手段によって自分自身が不利になってしまっては、本末転倒になってしまいます。

焦る気持ちを抑えて、合法的で確実な方法を選んでいきましょう。

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